闇よりもなお昏きもの

作:ほろふる!

 

第六話 DarkRitual(闇の儀式)

 

 

 雨……

 何時もなら人の往来が絶えぬフェニックス通りも、連日の降雨でまばらになっている。

 件の通りに面している此処、トーヤ・クラウド医院では、チトセとの戦いで敗れたアルビノ(白子)の青年が、もの言わぬ死体のように眠っていた……。

 その傍らには、うづきが看病疲れで眠っていた。

滅笛「……あれから一週間、バンの体力は回復しているが……いまだ目覚めやしねぇ……ソレに、チトセの方もあの時以来……」

 そう言って真弘は、窓の外に目を向けた。

 

 一方、チトセは……

 

???<チトセよ……まだ、吾が体を再成させるための血肉は集まらぬのか……>

チトセ<申し訳ございません!ですが、絶好の素材を見つけました>

???<そうか……ならば、その『絶好の素材』を吾が元に持ってくるのだ!!>

チトセ<ははっ……吾が主……『ケルベロス・ミラージュ』>

チトセ(……吾が主復活のため……そして……)

 降りしきる雨の中、チトセは、クラウド医院へ向かった。

 

滅笛「……来る」

 そう短く言って滅笛は、窓から遠ざかりドアへ、そして、クラウド医院を出た。

 降りしきる雨が彼の目と体に打ち据えるのも構わず、『悪意』の方向に向かって走り出す滅笛は、眼前に『殺意』をはらませた『見えない刃』に襲われた。

 

滅笛「……やばいな……あと、もう少し反応が遅かったら…」

 さっきまで彼がいたところの向こう側には、『見えない刃』で真っ二つになった街路樹が滅笛の台詞のオチを物語っていた。

 

滅笛「兎に角、行こう!!」

 決意を新たに彼は「チトセ」の元へ急ぐのだった

 

第七話へ続く

 

 

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