闇よりもなお昏きもの

作:ほろふる!

 

第四話 Armageddon Clock 1st(終末の時計@)

 

 

バンダー「『糧』だって!?……チトセ、貴様は、うづきママに対して……」

チトセ「もう一度言おうか?四天王うづき……否、貴様やこの町の者全ては、吾が主『ケルベロスミラージュ』様復活の為の糧ぞ!」

バンダー「(……そうか、何故あの時突然、この世界で一度もなかった『共振』がおきたのか……)『ヤツ』が来ていたのか……丁度いい、チトセ!貴様をぶちのめして居所を吐かせて貰うぞ!!」

うづき「(恐怖に耐えながら)バンちゃん!!ビーティーが……ビーティーがぁ……」

バンダー「……判ってる」

 そう言うとバンダースナッチは、異形の姿になっていない左手をビーティーの傷口に差しのべ、そこから優しい光を放った。すると、さっきまで虫の息だったビーティーが、見る見るうちに息を吹き返した。

バンダー「うづきママ、スマナイが安全な所で待っててくれないか……」

うづき「でも、バンちゃん、チトセくんは……」

バンダー「オレが何とかする……無問題(モーマンタイ)」

 そう言って彼はうづき達をクラウド医院に転送した。

チトセ「今生の別れは済んだようだな……コアチップごと貴様を吾が主の糧にする!!」

バンダー「仁歳チトセ!……てめ―を殺してでもアイツの居場所を聞き出して修正してやらぁ!!!!」

 そう言ってバンダースナッチは、異形の右腕でチトセに切りかかった。

チトセ「フッ、そんな蚊も止まるような攻撃がオレに通じるかぁ!」

 チトセは手にしている剣で、バンダーの右腕を軽くいなした。

 

バンダー「(かかった!)」

 チトセのソレを計算に入れていたバンダーは、いなされた右腕を軸足代わりにし、カポエラの如く逆さになって、鋭い蹴りを彼の顔面に叩きつけた。

ドガァァァァァーーーー!!

 

チトセ「くぅっ!!」

 横にぶっ飛ぶチトセに対し、体勢を立て直したバンダーの追い討ちの一撃が入る。

ガスァ!!

 手応えは……なかった。バンダーはチトセがいたところを良く見てみると、ただそこには川の流れ以外何も無かった。

チトセ「何処を見てる、バンダースナッチ!!」

 その声は上空から聞こえてきた。

 バンダースナッチが慌てて防御するも間に合わず、背中から思い切り重い一撃を食らった。

バンダー「ガはァ!!」

 

第五話へ続く

 

 

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