バンダー「『糧』だって!?……チトセ、貴様は、うづきママに対して……」
チトセ「もう一度言おうか?四天王うづき……否、貴様やこの町の者全ては、吾が主『ケルベロスミラージュ』様復活の為の糧ぞ!」
バンダー「(……そうか、何故あの時突然、この世界で一度もなかった『共振』がおきたのか……)『ヤツ』が来ていたのか……丁度いい、チトセ!貴様をぶちのめして居所を吐かせて貰うぞ!!」
うづき「(恐怖に耐えながら)バンちゃん!!ビーティーが……ビーティーがぁ……」
バンダー「……判ってる」
そう言うとバンダースナッチは、異形の姿になっていない左手をビーティーの傷口に差しのべ、そこから優しい光を放った。すると、さっきまで虫の息だったビーティーが、見る見るうちに息を吹き返した。
バンダー「うづきママ、スマナイが安全な所で待っててくれないか……」
うづき「でも、バンちゃん、チトセくんは……」
バンダー「オレが何とかする……無問題(モーマンタイ)」
そう言って彼はうづき達をクラウド医院に転送した。
チトセ「今生の別れは済んだようだな……コアチップごと貴様を吾が主の糧にする!!」
バンダー「仁歳チトセ!……てめ―を殺してでもアイツの居場所を聞き出して修正してやらぁ!!!!」
そう言ってバンダースナッチは、異形の右腕でチトセに切りかかった。
チトセ「フッ、そんな蚊も止まるような攻撃がオレに通じるかぁ!」
チトセは手にしている剣で、バンダーの右腕を軽くいなした。
バンダー「(かかった!)」
チトセのソレを計算に入れていたバンダーは、いなされた右腕を軸足代わりにし、カポエラの如く逆さになって、鋭い蹴りを彼の顔面に叩きつけた。
ドガァァァァァーーーー!!
チトセ「くぅっ!!」
横にぶっ飛ぶチトセに対し、体勢を立て直したバンダーの追い討ちの一撃が入る。
ガスァ!!
手応えは……なかった。バンダーはチトセがいたところを良く見てみると、ただそこには川の流れ以外何も無かった。
チトセ「何処を見てる、バンダースナッチ!!」
その声は上空から聞こえてきた。
バンダースナッチが慌てて防御するも間に合わず、背中から思い切り重い一撃を食らった。
バンダー「ガはァ!!」
第五話へ続く