みなたんとおデート 〜THE SHOOTING STAR〜

作:刹那(副管理)

 

第一話

 

 朝、今日は久々の日曜日。俺は未だ睡魔により深い眠りについてる真っ最中だ。……だがその眠りはある人間の手によって破られようとしていた。

 ガチャ!

みなづき「ねぇ〜、ねぇ〜、お兄ちゃんったらぁ〜!起きてよぉ〜!」

 みなづきが起こしにやって来たのだ。

みなづき「今日が折角の休みだからってそんなところでゴロゴロしてちゃあ牛さんになっちゃうよぉ〜!」

『………………う〜ん…なるわけ……ねぇだろ、ゆっくり寝かせてくれよぉ、むにゃむにゃ、』

みなづき「あぁ〜!この前言った事もう忘れちゃったのぉ〜!今日は遊園地に連れてってくれるって約束したでしょ〜!」

『そうだったっけぇ?』

みなづき「あぁ〜、ひっどぉ〜い!やっぱり忘れちゃったんだぁ〜!!!!みな、今日はこの日の為にお弁当いっ〜ぱい作ってきたんだよぉ〜。え〜と、タコさんのウインナーに、卵焼きに、ポテトサラダに、唐揚げに、う〜んとそれからそれから……」

 このままだと、延々と弁当のおかずの内容を聞かされそうだ。

『あ〜〜っ!わかった!みな、一緒に遊園地に行こう!なっ!』

みなづき「わーい!やっぱお兄ちゃんなら絶対そう言ってくれると思ったぁ〜♪じゃあじゃあ、今着替えて来るね。わ〜い、遊園地〜♪遊園地〜♪らんららんららん〜♪」

『(……なんだかんだ言っても、みなはやっぱまだまだ子供だな。……よぉし、言っちまったのはもう仕方ねぇし、俺も支度するとすっかぁ!)』


 〜数分後〜


みなづき「お兄ちゃ〜ん!まぁ〜だぁ〜!」

 既に余所行きの服に着替えて弁当箱の入ったバスケットを抱えた、気合い充分のみなづきが玄関口の前にいた。

『わぁ〜った!今行くから〜!』

『(……しかしみなのやつ、いつになく気合い入ってるなぁ、何かあったのか?)』


 〜更に数十分後、電車の中〜


みなづき「ねぇっ?お兄ちゃん!みなねぇ〜、遊園地に着いたらまずはこれに乗りたい♪」

 遊園地のマップに指を差した物は……

『いぃっ!?ジェットコースター!?』

みなづき「だってぇ、生まれて一度もジェットコースターなんて乗った事ないんだもん、みな、今日は遊園地に着いたら、最初は絶対、絶対、ぜぇぇぇったぃ!これに乗ってみたかったんだもん♪」

『(みなをこう熱くさせるものは一体何だ!?いつになく今日は気合いが入ってると思ったらもしやこれの為か?)』

『だけどなぁ、みな、遊園地に来たら最初は、こうなんつーか、まずゆったりした物とかには乗る気にならんのか?コーヒーカップとかぁ、メリーゴーランドとかぁ』

みなづき「やだぁ!最初はジェットコースターに乗りたいのぉ!」

 ザワザワザワザワザワ.........

 みなづきがダダをこね出した途端、突然周囲にいる人達が騒ぎ始める。

『だあぁ!もう、わかった、わかったから、最初はジェットコースターだ、なっ!』

みなづき「わ〜い、やったぁ♪」

『(あ〜どうしよ、俺、高い所は苦手なんだよなぁ〜。かと言ってみなに"高い所は苦手だ"とか言って"別のものにしよう!"とか言うのも男らしくないし…、はぁ〜、やっぱやるしかないのかぁ〜)』

 ため息混じりの声が、電車内の周囲の空気でかき消されていったのは言うまでもない。…そして数時間後にしてようやく遊園地へ到着した二人。事の真相が解らないまま俺は先を進むにつれ憂鬱な顔をした。


みなづき「うわぁ〜!やっぱ込んでるねぇ〜」

『何しろ今人気のマシーンだもんなぁ〜。無理ないだろう』

みなづき「(腕を掴んで)んふ〜♪お・に・い・ちゃ・ん♪」

『ね、ねぇ、や、や、やっぱ変えませんかぁ〜?』

みなづき「ダメ〜!さっ、お・に・い・ちゃ・ん♪」

『ふぇ〜い!わかりやしたよぉ〜』

 ……結局、ジェットコースターに乗る運命になる主人公。この後一体どんな"悲劇"が待っているのか!?




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