贈られ物

作:小俣雅史

 

エピローグ

 

 冬休みが明けた。

 どうしても冬休みが終わってしまうのが悔やまれていたが、時間の流れとは残酷だ。

 オレがいかに超絶的な能力を以ってしても、それをねじまげることはできない。

 そのためオレは昨夜の雪で、厚く積もった雪の上を澄空学園へと向かって歩んでいた。

 一歩一歩しっかりと大地を踏みしめると、深雪を踏み抜く小気味よい音が聞こえる。

 オレもかつてはこのこと楽しんでいたが、今となっては、雪自体ただの迷惑だ。

 ちゃんと足跡の上を踏んであるかないと、無駄に体力を消耗して遭難してしまう。

「とおおおおもちゃああああんっ!!!!」

「ふぉう!?」 

 突然、雪崩が起きんばかりの大きな声が雪上に轟いた。

 次の瞬間オレの肢体は猛烈な衝撃により舞い、華麗に雪の上で軟着陸を果たした。

「あ、智ちゃんごめん」

「…………」

「ちょっと智也、大丈夫?」

「……ぶはあ!」

 オレは雪から顔を引き抜いて突き抜けるような空を見上げると、そこを二つの顔が遮った。

 片方はオレにタックルを喰らわせた張本人、今坂唯笑。

 そしてもう片方は……オレの彼女、桧月彩花だった。

「もうほら、早く払わないと溶けてぐしゃぐしゃになっちゃうよ」

「ああ」

「ごめんね智ちゃん、唯笑も手伝う」

 オレが雪の上から立ち上がると、二人が体についた雪を払ってくれた。

 そのおかげで、幸いオレの制服が水浸しになることはなかった。

「ふぅ……あっ! こんなことしてたから、もう時間無いよ!?」

「な、遅刻か!?」

「智ちゃん彩ちゃん! 学校の方から始業のチャイムが鳴ってるー!!」

「急ぐぞっ、二人ともっ!」

「あ、待って智也ぁ」

「智ちゃ〜ん!」

 オレは、白く美しい世界を駆け抜ける。

 遅刻している状況だというのに、オレの心は雪に反射した陽の光のように輝いている気がする。

 いつしか失われたこの風景。

 しかし、今、確実にそれを感じている。

 舞い戻った彼女の存在。

 
 それだけが、寒空の下を暖めていた…………  

 

−END−

 

 

−執筆者あとがき−

 

12月7日15時47分現在。
彩花誕生日おめでとうっ!!

そんなわけで記念に書き上げたSSです。

ぶっちゃけ即興で書こうとした割に頭悩ませ
そのくせに纏まりのない駄文になっております。

見苦しくても、そこはご勘弁ください。

であであ


(2001年12月7日)





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