選択

作:小俣雅史

 

第五話

 

 オレは、彼女の手を握りしめていた。

 強く、そして優しく。

 生きているのに、冷たい彼女の手を、必死に温めていた。

 オレの温もりが伝われば、彼女はそこに居てくれる。

 求めるべき存在を、オレは必死に求めた。

 しかし、時は無情にも過ぎていく。

 面会終了時間10分前のアナウンスが流れる。

 タイムリミットは後10分。

 明日また来ればいいじゃないかとも思う。

 だが、それも『逃げ』だ。

 オレは、今自分の気持ちを彼女に伝えなければいけない。

 でなければ、彼女は二度と戻って来ない。

 少なくとも……オレの中には。



『面会時間は終了しました。気をつけてお帰りください』



 淡白なアナウンスが流れる。

 それはあまりにも無情過ぎた。

 まだ喰らい下がれば良いのかもしれない。

 だが、オレの中での時間はそろそろ終わりを告げる。

 何もかもが不必要となり、オレがこの世界に止まる意義を失う。

「みなも……」


 オレは最後に、彼女の名を呼んで消えようとした。

 これで終わりにしたかった。

 でも、オレの手は彼女から離れない。

 あまりにも……惨めだ。

「みなも……」

 次の発した言葉は、嗚咽だった。

 同時に、目が熱くなり、そこから冷たい雫が流れ落ちた。

 それはオレの頬を伝い、彼女の顔へと落ちる。

「……も……やさ……」

 ふと、彼女の唇が動いた。



 夢想、それとも、現実。



 …………オレは、みなもを信じたい。

 

−END−

 

 

−執筆者あとがき−

 

「貴様の正義を示したければ、その拳で体現して見せろぉぉぉ!!!!」

「言われなくても、やってやるぜぇぇぇぇぇ!!!!」

てな訳で、小俣雅史です(どういう訳?)。

今回は甘籐さんのSS、それとみかんさんのSSを見てて、なにやら創作意欲がわいたので書きました。

みなもにゃん復活SS。

そのような感じで告知をしておいたのですが、蓋を開けてみれば、あらあら……(CBDマO又は乙姫むOみ風に)

全然復活してないじゃん。

ていうか智也メインだし……。

まぁ、気にしない気にしない。

程度で言えば便所虫をコオロギだと思ってたくらいです。

あまりにも作者としてはコメントし難い内容となってしまいました。

これは読者の感性で、どんな風か左右してもらいたいです。

感想、出来ればください。 今後の参考+自己評価の参考にさせていただきますんで。

ビシバシ悪いところ、腐ったところをご指摘願います。

であであ

(2001年11月10日)





第四話へ戻る       小説のトップへ戻る