第十一話
「こなくそぉ!!」
俺は半ばヤケクソになりながら操縦桿をめちゃくちゃに動かした。
これだけのビームを普通に操縦して避けきれる奴は人間じゃない。
なら、いっそこの稲穂信様の神がかり的な運を使ってやろうではないか。
「うりゃうりゃうりゃあ!」
この機体は当たれば一撃で落ちるが、運動性と速力だけはハンパではない。
デタラメに動かしても意外と避けれるものだ。
いや、やっぱり俺の神がかり的な運のおかげか……。
俺は大量に飛んでくるビームのラッシュを、なんとか避けきってしまった。
先ほどまで視界が光だけだったので、敵の機体が視界に新鮮だ。
「おい健、大丈夫だったか?」
俺は健に通信を入れ、健の安否を確かめた。
「う、うん……ギリギリだったけど」
「そっか、よし、相手の周囲を旋回しつつミサイルぶち込むぞ!」
「わかった!」
俺は操縦桿を一気に引いて機体を上昇させ、クィックィの真上からミサイルを発射した。
それは機体の頭部に直撃したが、あまりダメージを受けた様子もなく、平然としている。
なんか腹が立ったので、俺は予定通り旋回降下しながら敵の機体に弾を撃ち込んでいく。
そして機体の腹部と思われる箇所に、ミサイルを発射しようとした、その時だった。
バシュッ!!
「なっ!?」
そこから二本の触手のようなものが射出され、俺の機体に絡みついた。
「ちっ、動かんぞ!!」
俺は操縦桿を無理矢理動かしてみるが、まったく身動きが取れなかった。
完全に機体が捕まっている。
そして敵の機体についている砲身が、一斉にこちらに向けられた。
「――!!」
瞬間、光が視界を覆った。
第十二話・十三話・十四話へ続く