――さー……――
「…にぃ……あにぃ…起きてよ…あにぃ」
雨の音が優しくなっていた時に、オレは寝付いていた様だ。そんな中で、衛の声が聞こえた。
「ん……後五分…」
何時もの様に寝ぼけるオレを、衛は一所懸命揺り動かしてオレを起こす。
「『後五分』じゃないって! 今8時半だよ!」
「はちじはん……て、8時半!?」
衛の『八時半』の一言でオレは目が覚めた。
「確か今日の授業は三限目に数学じゃねーか……」
「あにぃ、今日は土曜日で休みだよ」
「え゛?」
衛のその一言を聞いて、目が点になるオレ。
「じゃあ、何で起こしたんだ?」
「実はいうと、ボクの方で用があるんだ……これから学校に行って先生に先輩たちの事で言っておきたいから、それで…できればあにぃにも付き合ってもらいたいんだけど……だめ?」
何だ、そういうことか……そう心の中で思いながら、その答えを衛に伝えた。
「わーったよ。その代り、何かいやな事があったら真っ先にオレに相談してくれよ」
「うん!」
そのときの衛の表情(かお)は、久々の晴れを思わせる明るい笑顔だった。
−END−