ここはエンフィールド自警団第七部隊の事務所。「先行者」の一件が済んでからは特にこれといった大事件がないため、
事務所内は至って穏やかな雰囲気であるのだが……。
そんな穏やかな空気とは裏腹に、ものすごく落ち込んだ表情の自警団員がいる。この物語の主人公・滅笛である。
滅笛「………のぐぅ……、」
??「なぁに親が死んだような顔してんだぁ固羅!」
落ち込んでいる滅笛にそう突っ込みを入れたのは、派手な色の髪をした妊婦・森川愛海だった。
滅笛「にょっ!?………何だまみぞーさんか…『サザンカーク』でしこたま酒呑んで『悠久組曲』のテレカとか銀行のキャッシュカードとかクレジットカードとか入った財布を落とした老いぼれ『19760918号』に何か用かい?」
スパン!!(ハリセンで突っ込み)
愛海「架空と現実を一緒くたにしてネタにすんな!!しかも何ね、その最後に言った番号は!!!?……まあそれはともかくマー、アンタに頼みたい事あるんだけど」
滅笛「……オレとむつきママが結婚しろって?……OK!!それなら……」
さつき「んなわきゃなー--い!!」
ゾギュビュワーーーン!!
衝撃のファースト・ブリットが炸裂、滅笛は空の彼方へ飛ばされ、宇宙の星となった…。
…そんなこんなで翌日。マリオン島にて……
滅笛「まさか……よりにもよってオレがうづきママ用に魔動機造る羽目になろうとは……まぁだ『クライン』完成してないのに……」
さつき「ふーん、何とか順調のようだな……」
滅笛「ア、さつきママ……いつからいたの?」
さつき「おいおい……さっきからいたっての!……なぁ、まー、オレにも専用の魔動機造ってくれないか?」
滅笛「……ウチの団長に言って……俺よりも魔道機作成上手だから」
さつき「そう、……あのコトむつきや未緒達にばらしちゃおっかなァ〜〜?」
滅笛「ま……待てぇーーーい!!!!」
その夜、エンフィールド上空を邪悪な色をした月が、獲物を探す邪眼の如く輝いていた。
酔っ払い「ギャハハハ……ん、なんだぁ?」
謎の少年「……」
ジャキュゥン!!
……謎の少年が、酔っ払いを有無を言わさずに斬り殺した。
第二話へ続く